マスクとお口の関係

マスクが手放せない情勢になりまして早3年。

煩わしい反面、風邪やインフルエンザの高い予防効果を実感しておりますが、皆様はいかがでしょうか。今後もマスクとはうまく付き合っていきたいものだなと思いつつ、このマスク生活で患者さんの選択にも変化を感じております。

マスク生活が始まってすぐのご意見としては口臭のお悩みが多かったのを覚えております。
ご自身の口臭を自覚することはなかなか難しいのですが、マスクをすることで気になり受診のきっかけにしてくださった方もいらっしゃいました。
歯科への受診に関して、きっかけとしてマスク生活が鍵となったことを実感したエピソードでした。

最近ではマスクがあるうちに歯を綺麗にしたい、といったご相談やご提案をすることも増えました。
例えば前歯の治療についてです。被せものを治したい方は、被せものを治すためには一時的に仮歯に置き換える必要がありました。そのためどうしても見た目が気になることもありました。
他にも前歯が歯周病で抜かなければならない方。歯を抜くと入れ歯やインプラントといった方法で欠損部を補う必要がありますが一時的には歯のない状態になることがあります。
特に前歯の治療は治療後だけでなく治療中も見た目が気になって……と治療をためらう方も少なくはありませんでした。
しかし今は食事以外では口元を気にせずに治療ができるため今のうち、と思う方も増えた印象です。

また歯並びを気にしていて矯正を始めたいと前々から考えていた方が今のうちにと始められた方もいらっしゃいました。矯正をするにはブラケットという装置を歯につけワイヤーを通して歯を動かします。そのため見た目を気にする方も多かった印象ですが、今ならマスクで隠すことができます。

矯正は見た目だけの問題ではなく、歯並びを変えることで口腔内のトラブル改善にも大きく効果のある治療です。しかしながら費用や時間もかかる治療のため、必要とされる方であってもなかなか踏み切れない点もありました。
しかし将来的に矯正をすることで口腔内の環境をより良くできるものです。なのでその選択のきっかけのひとつとなったことはとても喜ばしいことかと存じます。

歯科の治療は痛いところを治すだけではありません。もちろん痛いところを治し、しっかりと噛めるようにすることは重要なことです。

しかしそれだけではなく回りの目を気にせずに口を開けて笑えるような、見た目の美しさというのも重要なことです。

2023年3月13日からはマスクの着用ルールが変わります。医療機関では従来どおりマスクの着用をお願いしておりますが、これから暖かくなり行楽シーズンになると屋外ではマスクを外す機会も増えるかと思います。

綺麗な歯で笑えるように、なんでも美味しく食べれるように、お口の定期的なメンテナンスはその第一歩です。