たまに患者さんからこんなことをいわれます。
「こんなに痛いなら早く歯を抜いてほしい」、と。
治療によっては何度も通っていただく必要がありますし原因となる歯を抜いてしまえば痛みは収まりますが、一度歯を抜いてしまえば元に戻すことはできません。
特に忙しく何度も通えないとおっしゃる方に多いのですが、口腔内及びお体の健康のためにも歯はなるべく残せるよう治療をさせていただくことを当院ではお伝えしております。
しかしながら、虫歯の進行具合によっては歯を残すことが出来ない場合があります。
いわゆる差し歯というものが出来るのはご自身の歯が歯茎よりも上に基本全周2ミリ以上残っていないと難しく、根の方に虫歯が進行してしまっている場合などは歯を抜かなければなりません。
完全に歯を抜いた後に出来る治療は大きく分けて三つあります。
インプラントかブリッジか部分入れ歯です。
全ての治療にはメリットとデメリットがあり、口腔内の状況によっても出来ない治療もあります。
噛む力や他の歯への負担という面で一番おすすめしているのはやはりインプラントです。
インプラントと聞くと「高い」と思われる方が多いです。自費診療になりますし、金額は医院によっても異なりますがだいたい1本当たり50万前後になります。
またインプラントを入れるためには土台となる顎の骨がしっかりと残っている必要があり、骨の再生治療を併用して行っていただく患者さんもいらっしゃいます。
しかし、インプラントのいいところは、なんといっても基本他の歯を削ることなく、負担をかけることなく、一本の歯を根っ子から入れることが出来る点です。
他の方法では仮の歯の部分のみがはいりますが、インプラントはこの根っ子を入れることにより食感や噛む力が天然の歯に近い状態で入れることが出来ます。
第二の天然歯とも言われており当院でもおすすめしている治療法のひとつです。
それぞれ歯科ごとに特徴があると思いますが、当院ではインプラントを入れる際サージカルガイドというマウスピースを使用しています。
こちらを使うことによってより安全正確にインプラントをいれていただけるものとなります。
また当院ではインプラントを入れる前にその治療が可能かどうか、診断を行っていただくことも可能です。
検査と診断を経て作製されたサージカルガイドを使用しての治療になりますので予後もよく、多くの患者さんに満足していただいております。
しかしインプラントは金額もかかりますが、骨にしっかりインプラントがくっつくまでの時間がかかるためままた噛めるようになるまでお時間がかかります。
また口腔内の状況によっては入れ歯やブリッジで治すことをおすすめすることもあります。
特に入れ歯のいいところは基本的にどの部位の欠損であっても補うことが出来る点です。
取り外し可能なため、清掃しやすく清潔にご利用いただけることも利点のひとつといえます。
逆に言えば取り外し式のものになるので慣れるまでの違和感やそもそも心理的に忌避する方もいるのが入れ歯の欠点でもあります。
このように歯がなくなってしまうとその後なにかで補うための治療が必要になります。
しかしながらご自身の歯以上のものはなく、どうしても噛みづらさや使い勝手で不備が出ることもあるのが実情です。
失ってしまう前に、しっかりとしたメンテナンスを。
もし、失ってしまうことがあればお体にとって最適な方法ではまた食事を楽しめるようにしていければと思います。
